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オープニング
2年前:ダルマスカ王国
前バレンディア歴 706年
ダルマスカ王国 王都ラバナスタ――

大勢の人々で賑わう王都ラバナスタ、鐘の音が都中に響き渡り、煌びやかなパレードが始まる
最前列はモーグリ達によるオーケストラパレード、その後列にチョコボに引かれた巨大な馬車が
そこには正装をしたラスラとウェディングドレス姿のアーシェが乗っており、歓声を送る人々に手を振る
活気に満ちたラバナスタ、幸せそうな二人
神官(神父?) 大いなる父の名において
汝らふたりを夫婦であるとみなす
恵み深き神の祝福が 汝らの行く道に
とこしえにあらんことを――
ファーラム
人々に祝福される中キスする二人


2年前:ダルマスカ ダルマスカ王宮内
重々しい雰囲気の中、ダルマスカ国王と将軍達が話し合っている
ウォースラ この後アルケイディアが
陸 空 双方からの同時攻撃を開始すれば――
突然バッシュが入ってくる
バッシュ ナブディスが落ちた!
ダルマスカ国王 何!?
ラスラ 父は!?
バッシュ わかりません ラスラ様
ウォースラ ナブディスが落ちたとなると
アルケイディア軍の
ダルマスカ進行を妨げるものは何もありません
やつらが国境に到達するのは時間の問題です
ダルマスカ国王 ではナルビナには――
バッシュ 私が行こう!
立ち去ろうとするバッシュ
ラスラ ご一緒させてください!
驚くダルマスカ国王、だがラスラを止める事はできなかった


何千何万という兵士が集まり整列し、空には小〜中の飛空挺が飛び交う
ダルマスカ国王、アーシェ、ラスラ、バッシュなどが立ち並ぶ
ダルマスカ国王 ガルティアの加護をそなたらに
ラスラ ありがたき幸せ
国王から剣を受け取るラスラ
一瞬国王の後方にいたアーシェと目を合わせるが、すぐに後ろの兵士達の方へ振り返り、剣を高らかに掲げ声を上げる
兵士達もラスラに同調し歓声を上げる


2年前:ダルマスカ ナプラディア国境付近 ナルビナ城塞
ダルマスカ――ナプラディア国境付近
ナルビナ城塞

無数の両国の飛空挺が暗闇の中を飛び交う
地上では城塞の城門が破られ、何千もの両国の兵士がぶつかり合う
城壁の上でチョコボに乗り戦う二人、バッシュは剣と弓で、ラスラは剣で、帝国兵を撃退していく
バッシュ ここは落ちます! 撤退しますぞ!
ラスラ まだだ! まだ 魔法障壁がある!
塔の最上部で巨大な魔石を囲み魔法障壁を維持するため呪文を唱え続ける神官達
突然帝国兵がやってきて、神官達を斬り捨てる
武器を持たない神官達はなすすべも無く殺され、魔石からは光が消え障壁が消えてゆく
ラスラ 魔法障壁が!
バッシュ ここまでかっ!
ラスラ 父の仇を! 父の仇を!
冷静さを失い深追いするラスラ、バッシュは遠くからこちらに弓を引く帝国兵に気付く
バッシュ ラスラ様!
瞬時に弓を放つがバッシュの弓が届く前に帝国兵は弓を射り、放たれた弓はラスラの胸に突き刺さる
チョコボの上で体勢を崩すラスラ、バッシュはラスラを自分の乗っているチョコボに移す
だが前後を帝国軍に囲まれ退路を絶たれた二人、そこへ突然上空から撃墜された中型の飛空挺が落下してくる
その混乱に乗じてバッシュはチョコボの手綱を引き、捨て身で帝国軍の中をつき抜け逃走する
なんとか逃げ切る事はできたが、ラスラはバッシュに抱えられたまま、既にうな垂れていた


仄暗い城内で、ラスラの葬儀が行われている
喪服を着たアーシェがラスラの遺体の前にひざまずき祈りを捧げる、頬を一滴の涙が伝う
神官(神父?) 汝の肉体は
大いなる父の祝福を受け――
大地へ戻らん
汝の魂は
母なる女神の元――
安らぎの時を迎えん
ファーラム


FINAL FANTASY XII


ラスラ・ヘイオス・ナプラディア殿下の戦死は
ダルマスカ王国を見舞った悲劇のひとつにすぎなかった。
王女アーシェ殿下の結婚がもたらした希望は失われ
ダルマスカは時代の荒波に呑まれようとしていた。

東のアルケイディア帝国と西のロザリア帝国が
イヴァリースの覇権を争う、戦乱の時代。
アルケイディア帝国は西方進出の第一歩として
ナプラディア王国を侵略。

ラスラ殿下の祖国は業火のもとに滅び、
ついで帝国の侵攻を受けたダルマスカも
同じ運命にたどりつつあった。

ナルビア城塞における敗北で、ダルマスカは
戦力の大半を失っていたのである。

忠勇なるダマルスカ騎士団は反抗を試みたが
圧倒的に優勢な帝国軍に抗し得るはずもなく
ほぼ全滅に追い込まれた。

やがてアルケイディア帝国は和平案を提示。
事実上の降伏勧告であった。

わが旧友、ダマルスカ王ラミナス陛下は
やむなく降伏を決断。和平協定に調印するため
帝国軍占領下のナルビナ城塞へ向かった。

だが陛下が王都ラバナスタを発った直後、
わずかに生き残ったダルマスカの騎士達は
不穏な情報を察知する。

" 和平協定調印式において国王暗殺の策動あり "

――ハルム・オンドール4世「回顧録」 < 12章 落日の王国 >
2年前 調停式の罠
2年前:ダルマスカ ナプラティア国境付近 ナルビナ城塞 北辺回廊付近
バッシュ ――大丈夫か? しっかりしろ
ゆっくりと目を開くレックス、ぼやける視界の中に将軍バッシュと将軍ウォースラが薄っすらと映る
ウォースラ だから言ったんだ 足手まといだってな
バッシュ そんな言い方はよせ
みんな好きで戦ってるんじゃない
祖国を思えばのことだ
レックス うぅ…
やっと視界が開けたレックス
バッシュ 立てるか――?
レックス レックス――
レックスです 将軍
バッシュ そうか レックス
見たところ外傷はない 軽い脳しんとうだろう
さあ 立ち上がるんだ
手を差し出すバッシュ、レックスはバッシュの手を掴んで立ち上がる

ナルビナ城塞 北辺回廊付近
バッシュ ――平気か レックス?
レックス はい 大丈夫です
バッシュ レックス きみは何歳だ?
レックス あ…17歳です
バッシュ そうか 両親は?
レックス 父と母は死にました
2つ下の弟がラバナスタにいるだけです
バッシュ ――すまないな
きみみたいな若者にまで
剣を取らせることになって
レックス いいえ 祖国のためです
父や母 多くの同胞のために――
ウォースラ 急ぐぞ バッシュ!
おしゃべりしてるヒマはない!
ヤツラが集まってくる前に
なんとしてでも陛下の元に行かねばならん!
バッシュ ああ わかっている
帝国兵が数人城塞から出て来る
帝国兵 こっちだ!
いたぞ!
バッシュ ウォースラ 行け!
ここは俺たちが食い止める
一瞬戸惑うものの、バッシュを信じその場を任せ、別の場所から進入するウォースラとダルマスカ軍
バッシュは向かって来た帝国兵を一人で一気に倒してしまう、後ろで唖然となっているレックス
バッシュ 焦るな レックス
慌てずゆっくりやればできる!
行くぞ!
ナルビナ城塞侵入開始、プレイヤー操作開始
城内に入ると浮遊していた小型飛空挺レモラ(アント1)が襲って来る、戦闘開始〜終了
最後にバッシュがミストナック「闇と漆黒の衝撃」でアント1を攻撃
アント1 くそッ 冗談じゃねえぞ!
アント1よりアントリオン!
発動機損傷! ここいらが潮時だ!
アントリオン アントリオン 了解
よくやった アント1
後退を許可する
アント1 ありがてぇ アント1離脱する!
更に進む
バッシュ ウォースラ!
どこだ どこにいる?
レックス まさか アズラス将軍まで――
バッシュ ばかなことを言うな!
ウォースラはこれまで いくつもの
死線をくぐりぬけてきた勇者だぞ!
こんなところで死ぬような男じゃない!
一刻も早く陛下をお助けし ここを脱出せねば――
レックス 陛下はご無事でしょうか?
バッシュ 無条件での降伏をのむんだ
調印式が終わるまで さすがに手出しはできんさ
レックス でも 調印式が終わっていたら――
足取りが止まるバッシュ、奥から帝国兵達がやってくる
バッシュ 行くぞ! レックス!
レックス 将軍! ここはオレになんとかします!
先に行ってください!
さあ! 早く!
バッシュ すまない!
帝国兵達を倒しバッシュ達の向かった部屋へ
扉にたどり着くレックス、扉の隙間から見た光景に驚き絶句する
周りには兵士の死体が散乱しており、部屋の奥の椅子にダルマスカ国王が倒れている
レックス 陛下――
気配に気付き振り返るとバッシュが、突然胸を貫かれる
レックス どうして――あなたが?
なぜ こんなことを――?
バッシュ 陛下はダルマスカを
やつらに売り渡そうとした
陛下は売国奴だ!
レックス 売国奴―――?
帝国軍が部屋に侵入してくる
帝国兵 賊を捕らえよ!
倒れたレックスの前をヴェインが通る
ヴェイン 和平交渉もこれで終いだな
バッシュ 我々は無条件降伏などせん!
陛下はダルマスカを
貴様たちに売り渡す売国奴だ!
ヴェイン 戦争は終わったのだよ 将軍
ダルマスカはわが帝国に敗れた
だが我々は ダルマスカに敬意を払い――
それなりの主権を残そうと努力していたのだ
それもすべて 将軍――
君のせいで台無しだ
バッシュ 我々は帝国に屈しない!!
ヴェイン ダルマスカの民は さぞかし君を恨むだろう
将軍を連れていけ!
目の前が次第に暗くなっていくレックス
レックス ヴァン――


和平の道は断たれ、進攻を再開した帝国軍は王都ラバナスタに迫った。
ダルマスカの命運は決したのである。

もはや抵抗は無意味であった。
さる筋から入手した情報に基づき、私はダルマスカ国民へ呼びかけた。

" 徹底抗戦を唱え、ラミナス陛下を暗殺した
バッシュ・フォン・ローゼンバーグ将軍は
大逆犯として処刑された。 "

" いまだ戦いを望む者は将軍の同類である。
ダルマスカを滅亡へと導く、恥ずべき反逆者である。 "

" 真の愛国者よ、剣を捨てて祈りを捧げよ。
平和を望んだラミナス陛下の慈悲深き魂に。
そしてまた―― "

" 祖国の敗北を嘆いて自ら命を絶った、
アーシェ殿下の誇り高き魂に。 "

王家を失ったダルマスカは、ほどなく無条件降伏を受け入れた。

――ハルム・オンドール4世「回顧録」 < 13章 友邦の義務 >